2016年2月6日

初午

 初午とは、2月の最初の午の日のことで、稲荷神社でお祭りが行われます。
 豊作祈願が原型となって、稲荷信仰と結びついたと言われています。
 本来は春先に行われていましたが、新暦になって真冬になってしまいました。
 旧暦でやっているところや、二の午・三の午もやるところなどもあります。

 王子駅からほど近いところにある装束稲荷神社は、街角の小さな神社。
 通常は無人ですが、大晦日に狐の扮装をして練り歩く「狐の行列」で有名です。
 関東八ヶ国の稲荷のお使いが、王子稲荷神社へお参りする前、
 当地にあった榎の下で装束を着替えた場所と言い伝えられています。
 安藤広重の錦絵の題材ともなりました。衣装に困らないご利益があるそうです。
 初午には、道端に臨時の授与所が設けられ、
 書置きの御朱印をいただくことが出来ました。

鳥 居 狐面が飾られていた
 拝 殿  拝殿内部
御朱印 
臨時の御朱印授与所 

 後日知ったのですが、書置きでなく墨書きの御朱印をいただいた方もいるようです。
 行った時間帯が遅かったのか(お昼頃でした)、
 単に気づかなかっただけなのかは不明です(^^;

 王子稲荷神社は、康平年中(1058~65)に征夷大将軍、源頼義により
 「関東稲荷総司」の称号を頂いたとされています。
 小田原北条氏についで、徳川将軍家代々の祈願所と定められてきました。
 現在の社殿は十一代将軍家斉公により寄進されたもので文政5年(1822)建立です。
 落語「王子の狐」の舞台でもあります。
 毎年2月の午の日に開かれる凧市は、たびたび大火にみまわれた江戸庶民たちが
 「凧は風を切る」として火事除けの縁起をかつぎ、今なお親しまれています。  

社 頭 拝 殿
お参りの行列は、
石鍋商店の近くまで長く伸びていました。

通常、御朱印の初穂料は400円ですが、
初午の御朱印は朱印帳に書き入れてもらう
と800円。半紙なら500円です。

神社に隣接するいなり幼稚園の園児による
奉納舞を見ることが出来ました。
授与所  
 男の子の剣舞 女の子の舞
   
 ユニークな表情の狛狐 初午祭 御朱印 

 立寄処: 石鍋商店 

 王子稲荷の参道で行列が出来ていたので、気になって立ち寄りました。
 明治20年創業で、久寿餅で有名なお店です。
 初午の日は、久寿餅以外なら路面店で購入できましたが、
 久寿餅を購入するためには列に並ぶ必要がありました。
 帰って食べてみましたが、今まで食べた久寿餅の中では一番美味しく感じました!
 (久寿餅通ってわけではないので、えらそうなことは言えませんが・・・)

 牛天神こと北野神社は、1184年に源頼朝により創建されたと言います。
 頼朝が東征の際にここの入り江の松に船をつなぎ波風が静まるのを待つ間、
 夢に菅神(道真)が牛に乗って現れ二つの吉事があると告げました。
 武運満足の後は社を営むべしと告げられ、
 夢から覚めると牛の形をした石がありました。
 その後、頼家が生まれ、平氏を西に追うことができ、ここに社殿を造営しました。
 境内にある牛石は、縁起に登場する頼朝が腰かけた石で、
 撫でると願いが叶うと言われています。
 天神様につきものの撫で牛の発祥とも言われています。

 また、境内の太田神社は、かつて貧乏神といわれる黒闇天女を祀っていました。
 小石川にある旗本が住んでいて、不幸はなくとも貧乏でしたが、
 ある晩夢の中に貧乏神が現れ、
 「長い間居心地がいいのでこの家にいたが、このたびよそへ移ることにした。
 赤飯と油揚げを供えて祀れば礼として福徳を授ける。」
 というので、その通りにすると万事よいことづくめで豊かになりました。
 旗本は神像を彫り牛天神に納めたと伝わります。 

社 頭 拝 殿
 末社 太田神社・高木神社  ねがい牛(牛石)

 御朱印は社務所の窓口でいただきます。
 こちらでは、書置きはなく、墨書きオンリー。
 末社と兼務社を含め5社の御朱印がいただけることもあり、
 いただくのに時間がかかります。
 私の時は1時間待ちでした。待っている間に、生姜湯がふるまわれました。
 また、境内の梅で漬けたという梅酒も御朱印とともにいただきました。
 2月中は「紅梅まつり」が行われており、
 「紅梅まつり」の御朱印をいただくつもりで訪れたのですが、
 「本日は初午の御朱印を出しています」ということで、
 思いがけず初午の御朱印がいただけました。

中島歌子 歌碑 初午御朱印
末社「太田神社」初午御朱印 末社「高木神社」初午御朱印
 生姜湯 授与品 境内の梅でつけた梅酒 

 牛天神の兼務社で、牛天神・北野神社からほど近い場所にあります。
 こちらの神社は、牛天神の別当を勤めていた梅本坊乗観が
 明徳元年(1390)に創建したといいます。

社 頭 拝 殿
 境内社 思の森稲荷  初午 御朱印

 御朱印は牛天神でいただいたので、こちらも初午の限定御朱印です。

 牛天神のもう一つの兼務社、出世稲荷神社は少し離れていて、
 ラクーアの東側、白山通りを挟んだ向かい側にあります。
 小さくて静かな御社ですが、三代将軍家光の乳母として名高い春日局ゆかりの神社。
 当地付近が春日局の屋敷だった時、邸内鎮守として創建、
 春日局が敗軍の将の娘から大奥の権力者へと出世したことから、
 出世稲荷と称されるようになったそうです。
 御朱印は牛天神でいただいたので、初午の限定御朱印です。

 鳥 居
拝 殿  初午 御朱印

 三河稲荷神社は、徳川家康公が江戸開府のおり、先勝祈願が叶う、
 自身のお守りとして信仰していた三河稲荷の末社を吹上に奉遷された後、
 現在の地に遷座しました。
 2月最初の午の日の行事として「本郷初午行灯まつり」を行っています。

鳥居(左の階段を登ると社務所) 拝 殿
江戸時代の中頃に、ダジャレや
語呂合わせの言葉遊びが流行し、
地口と呼ばれました。
この地口と、それに合わせた滑稽な絵を
箱行灯に仕立てたものが、地口行灯です。
江戸時代、初午の時に神社の参道や氏子の
家家の軒先に飾られたそうです。

御朱印は社務所でいただきました。
通常と変わりないものでした。
地口行灯
   
 初午を題材にした行灯  御朱印

 三念寺は、慶長8年(1603)当地に寺所を拝領して醫王山三念寺と号したといいます。
 御府内八十八ヶ所の34番札所です。
 呼び鈴を押しても応答がなく、御朱印をいただくことは出来ませんでした。

寺入口 扁 額

 「本郷三丁目」駅から近い櫻木神社は、文明年間(1469~1487年)に
 太田道灌が江戸城を築城の際、城内に北野天神を勧請、創建したといいます。
 東大から最も近い神社で、菅原道真公をお祀りしていることもあり、
 ドラマ化もされた漫画「ドラゴン桜」に登場するそうです。
 私は残念ながら、漫画もドラマも見たことがないのですが・・・。

鳥 居 拝 殿
境内社 見送稲荷神社 御朱印帳(オリジナルではないようです)

 拝殿左手にある社務所で御朱印がいただけるようなのですが、
 この日は残念ながら、こちらも空振りでした。

 初午限定朱印がいただけるところは、どこもとても混雑していて。
 それ以外のついでに回ったところは空振りで・・・やや想定外のことが多かったです。
 空振りは仕方ないけど、混雑は予想して、時間に余裕を持つべきだったと反省デス。

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