2015年12月27日

福島 飯坂方面

 年末年始の帰省の折、乗換する福島で時間が取れそうだったので、
 福島駅周辺で御朱印がもらえるところを探した結果、
 私のアンテナに引っかかってきたのが、飯坂温泉の周辺でした。
 福島駅から飯坂電車に初めて乗りました。
 2両だけの車両で、終点の飯坂温泉まで23分というローカル列車です。
 まずは、医王寺駅に向かいました。

 医王寺は、駅から徒歩15分。
 駅に着いた時は雪がちらつき始め、ちょっと心細くなりました。
 地図を確かめながらテクテク歩き、たどり着いた山門脇の窓口で、
 拝観料を払って、書置きの御朱印もいただきました。
 「初めてです」と言うと、とても丁寧に見どころを教えて下さいました。

 まずは本堂にお参りしました。
 医王寺は、平安時代の開基で、弘法大師御作の薬師如来を奉っているとのこと。
 1177年、この地方の荘司であった佐藤基治がお堂を改修して
 一族の菩提寺としました。
 やがて、平泉の藤原秀衡の元に源義経が向かう折、
 基治は二人の息子、継信と忠信を家臣として遣わしました。
 しかし、兄継信は屋島の合戦で、弟忠信は京都で義経の身代わりとなって果てました。
 弁慶と共に無事に奥州に下った義経は、
 医王寺で二人の法要を行ったと伝えられています。

山 門 本 堂
 芭蕉の句碑 瑠璃殿(宝物殿) 

 のちに松尾芭蕉は、弁慶の笈(おい)を見て句を読んだそうですが、
 その笈は瑠璃殿で見ることが出来ます。

 瑠璃殿から奥院薬師堂に向かう途中に、兄弟と義経公の像がありました。
 薬師堂には薬師如来が祀られており、「鯖野の薬師様」として信仰を集めているそう。
 乙和の椿は、つぼみが色づくと咲かずに落ちることから、
 二人の息子を失った母の乙和子姫の悲しみの象徴として、
 謡曲に歌われているそうです。 

 
 忠信公(左)、義経公(中央)、継信公(右)の像
薬師堂 忠信公・継信公のお墓
乙和椿 御朱印

 医王寺を出て、再び飯坂線に乗り、終点の飯坂温泉駅に向かいます。
 雪は、振ったり止んだりでした。
 飯坂温泉駅から、十綱橋を渡って西根神社に向かいました。
 ちなみに、十綱橋は、大鳥城主佐藤元治が、義経討伐の鎌倉勢を迎え討つため
 つり橋を落としたという場所で、千載集に和歌が詠まれているほか、
 松尾芭蕉や与謝野晶子も訪れているそうです。

医王寺駅ホーム 飯坂線車両(飯坂温泉駅)
 
 飯坂温泉駅 十綱橋 

 西根神社は、西根郷(伊達郡川西一体)で今も利用されている西根堰の開祖、
 佐藤新右衛門と古川善兵衛という実在の人物をお祀りしている神社。
 西根堰が作られたのは400年ほど前ですが、
 神社が建立されたのは明治20年と、比較的新しい神社です。
 境内の高畑天満宮とともに、うそかえ祭は賑やかに行われるようです。
 御朱印は授与所でいただきました。
 書置きでしたが、高畑天満宮の御朱印には菅原道真公のお姿の判があります。

社 頭 本 殿
 高畑天満宮 一言宮と願叶門 
西根神社 御朱印 高畑天満宮 御朱印

  立寄り処: 鯖湖湯

 再び十綱橋を渡り、飯坂八幡神社に向かいましたが、その途中に鯖湖湯があります。
 時間がなかったので、残念ながら私は入らなかったけど、
 温泉大好きなので、本当は入りたかった・・・。
 入浴料:200円、飯坂温泉で一番古い湯とのこと。
 すぐ隣には鯖湖神社もあります。

鯖湖神社 鯖湖湯

 飯坂八幡神社は、創建年は不明ですが、平安後期と考えられている古社。
 現在の拝殿は、18世紀頃に改築されたと考えられており、
 福島市の指定文化財となっています。
 10月に行われる例大祭はけんか祭りと呼ばれ、300余年の伝統あるお祭り。
 6台の太鼓屋台が激しくぶつかり合うそうで、大阪・岸和田の「地車祭り」、
 秋田・角館の「飾山ばやし」とともに「日本三大けんか祭り」とされているそうです。
 御朱印にも「けんか祭り」の判を入れていただけました。

鳥 居 拝殿(福島市指定文化財)
授与所 境内末社 村崎神社
   
 小祀 足尾神祀 御朱印 

 飯坂八幡神社からほど近いところに、満願寺があります。
 立札も出ていましたが、こちらは信達三十三観音12番の札所。
 事前に調べたところでは、「隣家の方が御朱印を下さる」ということでしたが・・・。
 すぐ隣の建物(観音堂の右隣)には電話番号の張り紙があるものの、
 カーテンが閉まっていて人気はなく・・・。
 諦めてお参りだけさせていただきました。

道路から見た観音堂 観音堂

 東北と言えば、やはり義経と松尾芭蕉なんだなあ・・・と改めて思いました。
 飯坂温泉の歴史は縄文時代にまでさかのぼるそうで、古くから栄えていたんですね。
 飯坂線に乗るのも楽しかったです。

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